「任意整理」に関するお役立ち情報
おまとめローンと任意整理の違い
1 おまとめローンとは
おまとめローンとは、複数の借り入れをまとめるためのローン商品です。銀行や消費者金融などで提供されています。
おまとめローンのメリットとして挙げられているのは、次の3点です。
① 月々の返済金額を減額できる
② 月々の返済日および返済先をまとめられる
③ 返済総額を抑えられる可能性がある
例えば、A社、B社、およびC社の3社に対してそれぞれ50万円の負債があり、約定利率は各社18%、毎月の返済額は各社2万円とした場合に、約定利率10%で150万円のおまとめローンを組み、毎月の返済額を5万円とすると、①から③すべてのメリットを享受することができます。
ただし、おまとめローンは極度方式のカードローン等とは異なり、追加で借り入れをすることはできません。
また、おまとめ後の月々の返済金額を低く設定すると、返済期間が長期化し、返済総額もおまとめ前より増えることになりかねません。
さらに、おまとめローンを申し込む際には審査が行われますので、上記の例で例えばA社について延滞が発生し、信用情報に延滞の情報が登録されていると、審査が通らずおまとめローンは利用できないことになります。
2 任意整理とは
任意整理は、債務整理の手段の一つで、業者と個別に交渉して返済条件の変更を目指す手続きとなります。
返済期間の短期化や将来利息を付加する業者が増えるなど任意整理の実務は流動的ですが、任意整理の一般的な内容は、元金(和解までの遅延損害金を付加される場合あり)を60回程度で分割して返済するというものです。
例外もありますが、任意整理を行うと、おまとめローンのメリットすべて(ただし返済先は業者ごとに別々となります)を享受することができます。
3 おまとめローンと任意整理の違い
おまとめローンと任意整理の違いは以下のとおりです。
⑴ 信用情報への事故情報の登録の有無
おまとめローンを利用する場合は信用情報に事故情報は登録されませんが、任意整理を行うと登録されることになり、今後新たにローンを組んだりクレジットカードを申し込んだりする際に支障が生じます。
信用情報のブラックリスト化を防ぐためには、おまとめローンを利用するしかないということになります。
⑵ 事故情報があっても利用できるかどうか
おまとめローンでは審査が行われるため、信用情報に事故情報が登録されている場合には利用できませんが、任意整理はそれ自体が債務整理ですので、既に信用情報に事故情報が登録されている場合でも利用することができます。
⑶ 一部任意整理が困難な業者がいることがある
ごく一部ですが任意整理に応じない業者もあり、応じる業者でも条件が厳しくなることがあります。
任意整理の場合、そのような業者があると目的を達成できないことがありますが、おまとめローンの場合は、そのような任意整理の場合は困難な業者があっても、おまとめで借りた金銭で約定通り返済するだけですので、問題は生じません。