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ETCパーソナルカード-ブラックリスト入り後も使えるETCカードとは

  • 文責:所長 弁護士 山森一男
  • 最終更新日:2025年1月7日

1 債務整理するとETCカードは使えない?

債務整理をすると、その後原則5年間はクレジットカードの使用ができなくなります。

ETCカードの使用に関しては、自己破産と任意整理で扱いが少々異なります。

⑴ 自己破産

自己破産の申立をするときは、裁判所に全ての債権者の申告をしなければなりません。

クレジット付きETCカードを使いたいからといって、それだけ外して手続をすることは不可能です。

自己破産をするとブラックリスト入りして、全てのカードが使えなくなります。

⑵ 任意整理

任意整理の場合は対象となる債権者を選ぶことができます。

そのため、ETCカードと紐付いているクレジットカードを任意整理しなければ、当面はETCカードを継続して使える可能性があります。

しかし任意整理を行った対象が一部のカードだけだったとしてもブラックリストには登録されます。

全てのカード会社は信用情報機関に登録しており、定期的に途上与信(事故情報を調べること)や更新を行っているので、そのタイミングでブラック情報はほぼバレるでしょう。

その後はETCカードも使えなくなる可能性が高いです。

また、カード会社の発行するETCカードはETC機能(ETC専用カード)をクレジットカードに付帯させているだけなので、ETC機能だけを残して利用することもできません。

他社で任意整理をした場合、自社でも利用停止にするかどうかは、各カード会社が判断しますが、最終的に使えなくなることは多いです。

また、仮に使用できても、担当する弁護士から使用しないように指導をされることもあります。

以上の通り、基本的に債務整理をするとクレジット付きETCカードは利用できなくなります。

しかし、債務整理をしても使えるETCカードはあるのです。

2 ETCパーソナルカード

債務整理で手持ちのETCカードが使えなくなった場合でも、ETCパーソナルカードなら利用可能です。

ETCパーソナルカードは、普通のETCカードと同様に、使った分だけ後払いするシステムですが、クレジット機能はないので、予め保証金を預ける仕組みになっています。

⑴ メリット

ETCパーソナルカードのメリットは、審査で信用情報の照会がないことです。

また年会費はリーズナブルなので、その点では利用しやすいカードです。

⑵ デメリット

ETCパーソナルカードのデメリットは何と言っても保証金が高額であることです。

また、銀行口座には常に数万円以上のお金を入金しておく必要があるので、経済的に厳しい人にとってはハードルが高いシステムです。

3 ETCコーポレートカード

ETCコーポレートカードも、ブラックリスト入りしても使うことができます。

このカードは高速道路株式会社が発行するカードで、個人・法人両方利用可能で、大口・多頻度割引制度を受けるのに有利です。

⑴ メリット

ETCコーポレートカードのメリットも第一にはクレジット審査がないことです。

事故情報は調べられないので債務整理後でも問題ありません。

また、法人・個人事業主に限らないため、個人でも申込みができます。

ただし、一般個人で申込みができるのは、NEXCOへの直接申込みをしたときのみです。

協同組合で申し込む場合は、個人事業主の証明が必要となります。

⑵デメリット

このカードは車1台につき1枚割り当てられるので、同じカードを他の車両で使用することはできません。

また、一般利用者向割引プランに申し込むこともできないので、利用頻度が少ない人にとってはお得感の少ないカードと言えます。

4 ETC法人カード

ETC法人カードもクレジット機能がついていないので、審査に際して信用情報調査が行われることがありません。

債務整理をした人でも申し込むことは可能です。

このカードはその名の通りの法人と個人事業主を対象としたもので、個人で事業を営んでいる人に適しています。

⑴ メリット

ETC法人カードは他の車両でも使用可能です。

レンタカーでも使うことができるので非常に便利です。

⑵ デメリット

ETC法人カードは個人では作ることができません。

法人・個人事業主でなければ作れないので、利用対象者が限られる点はデメリットです。

5 法人カードとコーポレートカードどちらが得か?

個人事業を営んでいる人はETC法人カード、ETCコーポレートカードの両方が使えますが、利用頻度や高速エリアによってどちらが得かは変わってきます。

それぞれのカードに向いている人の特徴は以下の通りです。

⑴ コーポレートカード向き

①毎月の利用額が多い

コーポレートカードは大口利用者のために作られたカードなので、毎月の利用額が多い人に向いています。

②首都高速・阪神高速の利用が多い

協同組合で申し込んだコーポレートカードの大口・多頻度割引は、首都高速、阪神高速に限られます。

保証人がいない場合は、NEXCOからカードを直接発行してもらうことができません。

その場合は協同組合カードを発行してもらうことになり、首都高速、阪神高速のみ割引が適用されるので、こうした道路の利用が多い人にはメリットがあります。

⑵ 法人カード向き

①毎月の利用額が少ない

法人カードは毎月の利用額が少ない人におすすめです。

最初に払う出資金も少ないので、初期費用も抑えられます。

②NEXCOや本州四国連絡橋の走行が多い

法人カードはNEXCOや本州四国連絡橋の走行が多い人におすすめです。

頻繁に利用する人でも首都高速や阪神高速以外ではコーポレートカードのメリットも少ないので、初期費用の安い法人カードが適しています。

6 まとめ

このように、ブラックリストに載ってしまっても、使用可能なETCはいくつかあります。

ETCカードの利用が必須の人でも、債務整理後に使用できる方法もあるので、心配し過ぎないようにしてください。

むしろ肝心なのは滞りなく債務整理手続を行い、借金問題を解決させることではないでしょうか。

借金問題は早く対処することでより良い解決が可能です。そのためにも、是非、当法人にご相談ください。

当法人には、借金問題に精通した弁護士が多数在籍しており、借金問題の解決実績も豊富にございますので、どうぞご安心ください。

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